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第16回開校4年目を迎えて

今回のJADECOM-NOWでは、埼玉県さいたま市にあるさいたま看護専門学校(以下、「本校」とする)をご紹介します。本校は、平成24年4月に開校した当協会が運営する看護専門課程 看護学科を有する3年課程の専門学校です。地域医療に全力で取り組む当協会の理念の下、豊かな人間性を培うとともに、看護師として必要な知識・技術・態度を修得し、保健・医療・福祉活動のあらゆる場面において貢献できる看護実践者の育成を行い、学生自身が看護教育を通じ、夢を育めるよう教職員も努めております。

(桜が満開のさいたま看護専門学校)の画像

桜が満開のさいたま看護専門学校

本校は、今年度(平成27年度)で4年目を迎え、平成27年3月に初めての卒業生を輩出いたしました。本校の開校準備から第一回生が卒業されるまで、櫻林 郁之介校長と辻井 恵美子副校長にて振り返りました。

振り返り

開校準備〜開校まで

辻井副校長 : 本校は、平成24年3月を以て閉校となった浦和医師会看護専門学校の後を受け、同年4月に開校し、一回生を迎えることができました。当協会悲願の看護師養成機関として、多くの期待を担い開校準備を進めておりましたが、その船出までには相応の苦労がありました。特に手元に看護学校に関する書籍がない中での開設申請書類の準備は、まさに手探りの状態でした。また、教員確保においても、最低8名の専任教員が開設の条件だったことや、直接教育内容に繋がる重要な部分であったこと等から、かなりの時間と労力を費やしました。そして、肝心の学生確保です。新設校で学校名も知られていない本校に、どれだけの受験生が得られるのか?も大きな課題でした。そのような状況の中でも開設許可をいただき、無事に1回生を迎えられたことは、本当に大きな喜びでした。

(櫻林校長(右)と辻井副校長(左))の画像

櫻林校長(右)と辻井副校長(左)

学生は全国各地から

櫻林校長 : 看護専門学校といいますと病院に附属した形態が多く見られますが、開校して4年目の本校は、「地域療振興協会」立の学校であることが大きな特徴だと思います。実習先となる医療施設も豊富にあり、定員(40名/学年)の約半数は全国各地にある当協会施設からの推薦を受けた学生が入学しております。推薦学生には奨学金も提供されており、彼らの多くが入寮しているマンションタイプの新しい学生寮はとても好評です。

学生と教員、共に臨んだ第104回看護師国家試験

辻井副校長 : 教員の教育に対する姿勢には誇れるものがあります。各々の教員が全学年に関わりますが、1クール3週間の実習指導を担当しながらの他学年への授業や学生の面接、国家試験対策等は教員の責務とはいえ大変な努力が必要です。特に国家試験対策においては、補習講義や早朝から放課後19時までの強化対策をはじめとし、精神面でのサポート等、教員達は自分の時間を惜しみなく学生を育てることに費やし、情熱をもって関わってきました。


櫻林校長 : 
本校の学生は3年間の課程を修了する前に、看護師国家試験を受験します。3年生になってすぐの模擬試験で、国家試験に対しどの程度のレベルであるかを見ていたのですが、3年生の夏休みを返上して試験勉強しないと間に合わない学生や、秋になっても焦りはあるもののエンジンが掛からない学生もおり、年明けになってようやく皆が頑張るようになりました。
 国家試験前の外部模擬試験を受けた結果、3年生全体の試験結果が埼玉県内で1位となりましたが、開校して初めて臨む国家試験でしたので、教員も終わるまではハラハラの連続でした。本校として初挑戦となった第104回看護師国家試験(平成27年2月実施)では、結果、全国平均を上回る96%強の合格率を達成しました。これは、学生個々の努力と学生を温かく時には厳しく見守ってくれた各教員のおかげであったと思います。

卒業生へのメッセージ、本校の将来

辻井副校長 : この4月から1回生が看護師として飛び立ち、各施設でお世話になっております。実習で経験できる内容には限りがありますので、入職して戸惑うことも多々あるかと思いますが、自己判断することなく、どのような時にも素直に聴く耳を持ち、学び続ける努力を惜しまないでほしいと思います。そして迷った時には、戴帽式で受け継いだキャンドルの灯の下での誓いを思い出し、患者様にとって「どうあるべきか」という視点に立ち戻って考えてもらえれば嬉しいです。

(卒業式の様子)の画像

卒業式の様子

櫻林校長 : 1回生が国家試験に合格し卒業され、晴れて看護師になりました。感動的であった卒業式の後、全国の各地域に散らばって、各施設では現在も新職員としての教育を受けていることと思います。1回生は元気な学生が多かったこともあり、今後は大いに活躍し、将来的には各医療施設の大きな力になってくれるのではないかと期待しております。本校は、これまでの3年間蓄積した経験を基に、更なる教育観の共有、より充実した教育の提供に努めていきたいと考えております。そして、患者様に寄り添い全国各地の地域医療に貢献できる卒業生を、一人でも多く輩出してまいります。

校長と副校長から色々な話がありましたが、本校卒業生である阿部琳穂看護師(現 西吾妻福祉病院勤務)にも学生の頃の話を伺いました。

阿部 琳穂 看護師(平成27年3月卒業)
学生時代の1・2年次には、講義や試験が中心で、多くの知識を頭に叩き込むことに必死でした。戴帽式ではナースキャップをいただき、看護師を目指す者としての自覚が一層高まり、誓いの言葉を皆で唱和し、決意を新たにすることができました。2年生後半からは、約1年間に渡る臨地実習を行ってきました。実習での学びはとても多く、決して楽しいことばかりではありませんでしたが、同じ夢に向かって歩んでいく友達と支えあい、先生方のご指導のおかげで乗り越えることができました。また、患者様からの感謝の言葉や笑顔に励まされ、患者様のためにできることをやりたいと思い毎日の実習に励んできました。親睦会や学校祭などの行事では、全学年と関わることができ、学年関係なく気の合う仲間も増えると思います。初めての寮生活では家事の大変さを痛感し、親へのありがたみを感じました。あっという間の3年間でしたが、とても充実した学校生活を送れました。 

(阿部看護師)の画像

阿部看護師

(4月から勤務を開始した 阿部看護師の様子)の画像4月から勤務を開始した阿部看護師の様子(右から2番目)

戴帽式

阿部看護師の話にもありました、看護学校ならではの行事が「戴帽式」です。今年は4月24日に、新しく2年生となった36名への戴帽式を挙行しました。

戴帽式は、副校長が学生一人一人にナースキャップを与え、看護師を目指す者としての職業に対する意識を高め、併せてその責任の重さを自覚させるための儀式です。戴帽生は、ナイチンゲールから看護の心の灯を受け継ぎ、そのキャンドルの灯の下でナイチンゲール誓詞を唱和しました。

戴帽式を終え、これから本格的な医療機関での実習を行う学生に聞いてみました。

(第3回戴帽式)の様子

(第3回戴帽式)の様子

第3回戴帽式

横沢 楓(2年生)

-戴帽式が終わりました。式の感想をお聞かせください。

今日まで皆で練習してきました。思い出に残るとても良い式になったと思います。

-これから臨地実習に入りますが、気持ち的にはいかがですか。
実習では、個々の患者様の状態を正確にアセスメント出来るか、また記録にうまくまとめられるか等、不安な部分もありますが、患者様とコミュニケーションをよく取り、出来るだけ多くの情報を収集することで患者様の理解ができるように頑張りたいと思います。そして、実習中は学ばせていただく学生という身分を忘れず、患者様を第一に考え、それぞれの方々に適した看護が提供できればと考えております。

-将来はどのような看護師になりたいと思いますか。
患者様だけでなく、患者様のご家族も支えられるような看護師になって、地域の医療に少しでも貢献できれば嬉しいです。

-最後に、本校の良いところを教えてください。
教員と学生の仲が良く(教員との)距離も近いので、実習や授業の内容について質問がしやすいです。また、学生の一人一人に対して親身に考えてくださるので、非常に有難く感じております。学校に近い学生寮は新しく、とても快適です。同級生が多く入寮していることもあり、寮内で皆と一緒に勉強することも多いです。これから始まる実習も、皆で頑張っていきたいと思います。

戴帽式を終え、これから医療機関での実習に臨む学生は不安と緊張の連続です。教員はそのような学生の気持ちに向き合い、日々の中で「看護職は素晴らしい職業である」という想いを伝えつつ、医療人としての人格を涵養しています。そのような中、学生には3年間の学びをとおして看護に必要な専門性を身に付け、近い将来、地域や社会に貢献できる素晴らしい看護師に成長することが期待されております。

多くの学生を育み、地域の医療に寄り添う仲間が増えていくことで、さいたま看護専門学校には、これからも大きな期待が寄せられることでしょう。

(第3回戴帽式)の様子

戴帽式を終えて

バックナンバー

  1. 第32回 第17回 へき地・地域医療学会を開催
  2. 第31回 第16回 へき地・地域医療学会を開催
  3. 第30回 第15回 へき地・地域医療学会を開催
  4. 第29回 第14回 へき地・地域医療学会を開催
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