『地域包括ケアと地域医療ビジョン、そして診療連携』をメインテーマに、今年で8回目となるへき地・地域医療学会が、8月23日(土)~24日(日)都市センターホテル(東京)で開催しました。
サブタイトルを「在宅、診療所、病院を繋ぐ」とし、医師、看護師、コメディカルから事務職を含む幅広い職種を対象とし、2日間で23セッションという、多彩なプログラムを提供いたしました。
タイムテーブル
8月23日(土)
9:20-12:05 | 医療安全フォーラム |
13:00-13:30 | 理事長講演 公益社団法人 地域医療振興協会 理事長 吉新 通康 |
13:30-14:30 | 基調講演:「医療法等の改正及び医療の現状と課題」 基調講演:「医療法等の改正及び医療の現状と課題」講演者:厚生労働省 前医政局長原 徳壽(はら のりひさ) |
14:40-15:40 | 学会長講演:「本気で取り組む診療連携」 -特化(集約)、医療機能分担、診療連携- 講演者:横須賀市立うわまち病院 管理者 沼田 裕一 |
16:00-18:00 | 循環器部会一般演題 |
病院管理研究会 病院管理研究会「DPC疾患別分析成果発表」 | |
「病院・職員を守る! 暴言、暴力 対応」 | |
コメディカル合同研修 「地域包括ケアを見据えたコメディカルの取り組み」 |
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看護・介護研修会 看護・介護研修会「虐待、拘束から個人の尊厳を守るために」 | |
情報システム 「電子カルテのリプレースを経験して ~その課題と解決法~」 |
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「ヘルスプロモーション力一からつながる新包括ケアシステム構築の取り組み」 | |
「月次決算早期にむけて」 | |
18:00-20:00 | 表彰式 懇親会 |
8月24日(日)
9:00-12:00 | 病院・診療所看護研究発表 「新しい医療連携につなぐ看護を考える」 |
(1)老健・介護研究発表 (2)介護施設研究会「地域包括ケア構築へ向けての取り組み」(グループディスカッション) |
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リハビリテーション部会研修会 「在宅を支えるリハビリテーション」 |
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臨床工学部会研修会 臨床工学部会研修会「医療機器中央管理業務の重要性について理解を深める為に必要なこと 他2題」 | |
診療放射線技師部会研修会 「遠隔読影とCADにおけるCT検査の標準化 他1題」 |
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医療ソーシャルワーカー(NSW)部会研修会 「地域包括ケアにおけるMSWの役割」 |
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事務職研修会「業務改善について」 | |
栄養部会研修会 栄養部会研修会「地域を支える栄養ケアを考える」 | |
薬剤部会研修会 「薬薬連携から医療連携へ 等」 |
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臨床検査部会研修会 「地域医療連携と臨床検査を考える」 |
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10:00-12:00 | 診療所多職種ワークショップ |
2日間で参加者が764名。各セッションでは、各種研究発表、参加された方々による熱心なディスカッションが行われました。ここでは、プログラムの中のいくつかのセッションの様子をご紹介させていただきます
メイン会場
循環器部会一般演題
このセッションでは、当協会5施設より循環器分野における演題発表を行いました。
演題並びに発表者は、下記の通りです。
- 「院内心停止した高度大動脈弁狭窄症例をバルーン大動脈弁形成術で救命した一例」
東京ベイ・浦安市川医療センター 野口 将彦 - 「当院におけるたこつぼ心筋症の臨床的特徴と合併症について」
横須賀市立うわまち病院 岩澤 孝昌 - 「心臓MRIが診断に有用であった繰り返す冠攣縮を伴う重症虚血性心筋症の一例」
練馬光が丘病院 秋本 知則 - 「12週間の禁煙治療により禁煙成功群では短期的にもアポリポ蛋白A-Iは上昇する」
東京北医療センター 岩岡 正彦 - 「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対して経皮的肺動脈バルーン形成術(BPA)を施行した1例」
市立奈良病院 米田 道嗣
循環器部会の様子
共同座長を務める 飯塚市立病院統括診療部長 鍵山 裕氏
ヘルスプロモーションカーからつながる新包括ケアシステム構築の取り組み
青森県下北半島にある東通地域医療センターでは、携帯医療機器等を搭載した「ヘルスプロモーションカー」と呼ばれる小型多機能車を平成24年度より導入し、今学会にてその紹介がされました。
ヘルスプロモーションカーによって、医療者自らが出掛けて活動を行え、東通村の包括ケアシステム構築をする上で、今では欠かせないツールとなっているとのことです。併せて、具体的な東通村での取り組み事例も紹介されました。
ヘルスプロモーションカーを紹介する
東通地域医療センター長 川原田 恒氏
病院・診療所看護研究発表「新しい医療連携につなぐ看護を考える」
このセッションには、地域診療所~急性期病院といった多岐に渡る施設に従事する看護師200名強が参加し、計13題の研究発表を行いました。
横須賀市立うわまち病院からは「NICU病棟における退院指導に関する考察~家族へのアンケート調査より~」とした、当該病棟での退院指導及び関連のパンフレットについてアンケートを用いた考察が発表されました。
発表する横須賀市立うわまち病院
看護師 横山 綾香氏(左)、松原 翠氏(右)
診療所多職種ワークショップ
地域診療所の多くは、医師や看護師、コメディカル、事務職員といった各職種とも、少ない職員数で運営されています。そのような環境でも、一医療機関としての幅広い業務が発生し、それを限られた職員が広範囲に渡る役割を担いかつ連携して対応しております。 地域診療所の多くは、医師や看護師、コメディカル、事務職員といった各職種とも、少ない職員数で運営されています。そのような環境でも、一医療機関としての幅広い業務が発生し、それを限られた職員が広範囲に渡る役割を担いかつ連携して対応しております。 このワークショップでは、診療所に従事する職員が集まり、各施設の課題や取り組みといった情報を共有。診療所運営の向上を目指し、活発な意見交換が行われました。
多職種によるワークショップ
学会長よりご挨拶
第8回へき地・地域医療学術集会を主催した沼田裕一です。今学会から、JADECOM各施設長が学会を主催することになり、その第一回の会長を務めさせていただき大変光栄に思います。
学会テーマは今年度の医療計画と医療法改正から「地域医療ビジョンと地域包括ケア、そして診療連携」としました。
吉新通康理事長の講演では、力強く今後JADECOMの方向性が示されました。厚生労働省医政局 原徳壽前局長からは、学会のテーマそのものを基調講演としてお話しいただき、学会長講演として、私の経験を基に診療連携のノウハウを披露しました。学術集会らしく、各施設の研究発表と活発な討論によって、本邦の地域医療とJADECOMの発展に寄与する学術集会が催されたと自負しています。ご協力いただいた皆様に、厚く御礼申し上げます。
学会長 横須賀市立うわまち病院 管理者 沼田 裕一氏