平成24年4月、地域医療振興協会は浦和にさいたま看護専門学校を開設します。校長に就任するのは、自治医大看護学部教授の竹田津文俊先生。先生は、自治医大の1期生出身で地域医療に従事したあと、血液学に進み、そのあと看護の道に入りました。
竹田津先生に、さいたま看護専門学校についてお話を伺いました。
さいたま看護専門学校はどういう学びの場を目指していますか?
竹田津文俊先生(以下、竹田津):地域医療振興協会による看護学校の運営は、ひとつには自分たちが運営する施設で働く看護師を養成するという目的もありますが、協会だからこそできる看護師の養成という意図もあります。それは「地域で働く看護師」を育成することです。
現在、看護教育は医学教育に追随するように、どちらかというと専門性が重視されるようになり、ある一定の教育を受け、その道の看護のスペシャリストを目指す人たちも増えてきました。
けれど、看護師の仕事は医師よりもさらに患者さんに近いところにあり、患者さんやその家族に寄り添える態度がとても大切になります。 特に、地域医療においては訪問看護も重要で、福祉と連携しながらケアしていくことになります。医学的な知識や技術はあとからいくらでも学ぶことができますので、それよりもまず、患者さんに接する態度やコミュニケーション能力,人当たりのよさ,ちょっとした配慮,気配りといったことを学んでほしいと考えています。
この学校の特色を教えて下さい。
竹田津:さいたま看護専門学校の前身は、浦和医師会看護専門学校です。埼玉県、特に浦和地域の医療整備充実のため、浦和医師会の協力をえて、昭和52年4月、東日本で初めて『働きながら学ぶ』定時制3年課程のモデル校として設立されたものです。そのためこれまでは対象地域が埼玉県でした。
しかし今後は知らしめる範囲を日本全国に広げ、全国の地域で働く看護師の養成を目指します。そのために、日本全国の人たちに遠くからも集まってもらえるように、生活できる環境、学校より約700mの閑静な住宅街に、新築でワンルームマンションの学生宿舎を整備しました。また地域医療振興協会各施設からの奨学金も検討しています。
さらに、多様・多彩な人材を確保するために、学士入学・社会人入学などの多様な制度も用意しています。
竹田津先生が目指すものは?
竹田津:教育カリキュラムの中には、協会の老健や訪問看護を行っている施設での地域実習を取り入れていますので、学生たちには地域看護をどんどん体験してほしいと思っています。それがすぐに結果にならなくても必ず刷り込みとなり、やがて花を咲かせます。今からたくさんの種を蒔いて、気づいたらたくさんの花を咲かせていたというふうにしていきたいと夢を描いています。
さいたま看護専門学校開校に続き、1年後の平成25年4月には奈良の看護専門学校が開校する予定です。
さいたま看護専門学校(仮称)
豊かな教養・人格と高度な看護技術を身につけた地域で働く看護師の育成を目指します。2012年4月開校予定。ただ今、学校見学会受付中!
さいたま看護専門学校 Webサイト