6月24日(土)、25日(日)の 2日間にわたり、第16回へき地・地域医療学会(以下、「大会」という。)を開催しました。昨年 6 月に開催した第 15 回大会同様、今大会も、協会事務局のある海運ビルをメイン会場とし、オンライン会場も設けハイブリッド 開催としました。
また、第14回大会から地域医療振興協会(以下、「協会」という。)の地方支部を主幹とする形式での開催とし、今大会は近畿地方支部が主幹となりました。大会長は明日香村国民健康保険診療所 管理者兼診療所長 武田以知郎が務め、大会テーマは「医療の谷間に灯をともして50年~おもろいやん、地域医療~」とし、メイン&オンライン会場双方で 438 人のご参加をいただきました。
開 催 名 称
第16回へき地・地域医療学会
『医療の谷間に灯をともして50年
~おもろいやん、地域医療~』
開 催 日
2023年6月24日(土)~ 6月25日(日)
開 催 内 容
東京千代田区の学会会場(メイン会場)並びに
学会サイト(オンライン会場)による
ハイブリッド開催
(敬称略)
タ イ ム テ ー ブ ル |
6月24日(土) 12:00 ~ 13:00 1 若手医師と学生が本音と夢を語る |
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13:10 ~ 13:50 2 開会宣言 大会長 武田以知郎(明日香村国民健康保険診療所 管理者兼診療所長) 大会長講演 「へき地医療が教えてくれた ~自分史とへき地医療の歴史~」 座長 堀井 学(市立奈良病院 副病院長) 演者 大会長 武田以知郎 (明日香村国民健康保険診療所 管理者兼診療所長) | |
13:55 ~ 15:25 3 髙久賞(最優秀へき地医療功労者賞)候補演題発表 |
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14:00 ~ 15:20 4 わが町の在宅医療の課題と展望~湖北から全国に発信~ |
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15:35 ~ 16:55 5 地域における救急医療のスペシャリストに聞く 6 事例で学ぶおもろいコミュニティケア~その本質を探る~ |
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15:35 ~ 17:35 7 整形外傷対応のためのハンズオンセミナー |
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17:05 ~ 18:05 8 おもろいで‼地域医療!! |
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18:15 ~ 18:30 9 理事長講演 吉新通康(公益社団法人地域医療振興協会 理事長) |
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18:30 ~ 20:30 10 表彰式・交流会 |
6月25日(日) 9:00 ~ 10:00 11 今この時代だからこそ地域医療と公衆衛生 12 都市部の地域医療 |
10:10 ~ 11:10 13 招聘講演 「グローバルヘルスからみる地域医療の新しい景色」 座長 宮園将哉(大阪府健康医療部保健医療室 副理事) 演者 國井 修(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund) CEO) |
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11:10 ~ 12:40 |
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※上記プログラム(7を除く)をZoomウェビナーLIVE配信 | |
13:15 ~ 15:15 上映会「明日香に生きる」(オンライン配信無し) 主演 武田以知郎(明日香村国民健康保険診療所 管理者兼診療所長) 2日間終日 おもろい写真展 |
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1日目 6月24日(土)
1 日目の正午、大会のオープニングセッションとなる「若手医師と学生が本音と夢を語る」では、学生と初期研修医、さらに指導医の立場から夢に対する本音や、夢を現実にするための糸口について発表、討論を行いました。
続いて、武田大会長による開会宣言・大会長講演を行いました。武田大会長からは、「へき地医療が教えてくれた ~自分史とへき地医療の歴史~」についてご講演いただきました。その後、「髙久賞 ( 最優秀へき地医療功労者賞 ) 候補演題発表」では、自治医科大学医学部を卒業され義務年限終了予定の 9 名の方々から、義務年限期間中の活動について事前に収録いただいたプレゼンテーション動画にて発表いただき、視聴された方々からも投票をいただきました。
続けて、「わが町の在宅医療の課題と展望~湖北から全国に発信~」、「地域における救急医療のスペシャリストに聞く」、「事例で学ぶおもろいコミュニティケア~その本質を探る~」、「整形外傷対応のためのハンズオンセミナー」、「おもろいで!!地域医療!!」といったセッションを開催しました。
夕刻の表彰式では、先述の「髙久賞 ( 最優秀へき地医療功労者賞 ) 候補演題発表」にて発表をいただき、義務年限を終了される先生方へ「へき地医療功労者表彰」を行い、髙久史麿 先生を記念しての「髙久賞」となる最優秀へき地医療功労者賞は、深瀬 龍 先生(山形県)が、優秀へき地医療功労者賞は、安齋 遥 先生 (青森県)、榎木康人 先生(鹿児島県)が受賞されました。
併せて、近畿地方支部企画の「おもろい写真コンテスト」の表彰も行い、受賞者の皆様には記念品が送られました。表彰式後の交流会では、自治医科大学軽音楽部Route Four Jazz Orchestraに演奏いただき、Jazzの奏でる音色で会場全体が華やぎました。
2日目 6月25日(日)
大会 2 日目は、「今この時代だからこそ地域医療と公衆衛生」、「都市部の地域医療」の 2 セッションから始まりました。
続いて招聘講演「グローバルヘルスからみる地域医療の新しい景色」では、公益社団法人 グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)CEO 國井 修 先生 をお招きし、開発途上国での災害医療、母子保健、感染症対策の紹介と世界からみた日本の地域医療について、専門家の視点から講演をいただきました。
その後、大会のメインシンポジウムへと進み、座長 武田大会長、コメンテーター 山梨市立牧丘病院 古屋 聡 先生、コメンテーター 國井 修 先生により、大会テーマでもあるメインシンポジウム「地域医療の過去と未来~さあ行こう、新しい景色へ~」を開催し、4名のシンポジストの方々から地域医療の過去と未来について貴重な講演をいただきました。
・ 地域医療の過去と未来 ~さあ行こう、新しい景色へ~
武田以知郎(明日香村国民健康保険診療所 管理者)
・ わたしのワークライフバランスへの取り組み ~離島医療と大学での経験から~
白石裕子 先生(自治医科大学地域医療学センター総合診療部門総合診療内科 助教)
・ プロフェッショナルとしての自分を育てる ~つなげる、つながること~
菅野 武 先生(自治医科大学医学教育センター医療人キャリア教育開発部門 特命教授)
・ 総合医療の”見える化”で地域医療/へき地医療を支える
天野雅之 先生(南奈良総合医療センター総合診療科 医長/教育研修センター 副センター長)
閉会後には、武田大会長が出演する奈良県明日香村に暮らす人々と医療との関わりを描いたドキュメンタリー映画「明日香に生きる」の上映会を開催し、全てのプログラムが盛会のうちに終了しました。
第17回となる次回のへき地・地域医療学会は、協会の東海・北陸地方支部が主幹となり、開催に向けて地域医療に関わる皆様に魅力ある企画を準備してまいります。 来年も皆様のご参加をいただけますよう、よろしくお願いいたします。