6月28日~29日、今回で2回目となる“JADECOM総合診療フォーラム”(以下、「フォーラム」とする)を開催しました。地域医療や家庭医療、総合診療に携わられている医師や医療スタッフの方々、それらを志す医学生を含む多くの方々が参会されました。
開催名称 第2回JADECOM総合診療フォーラム
開催日 平成26年6月28日(土)~6月29日(日)(東京(千代田区平河町)にて)
開催内容
1日目:6月28日(土)
(敬称略)
1 日 目 |
1:医学生ワークショップ 「地域」で「医療」をするために |
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2:招聘講演 「多機能細胞医」~救急医が語る地域医療~ 八戸市立市民病院副院長 今 明秀 |
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3:教育セッション
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4:情報交換会 |
フォーラムの1日目、まずは医学生ワークショップよりスタートしました。当日は、“CIS”(Chiiki Iryou Student)と呼ばれる地域医療マインドをもった各大学在学中の医学生からなるサークルが中心となりワークショップを実施しました。
続いて、このフォーラムの招聘講演として、八戸市立市民病院副院長の今明秀氏より「多機能細胞医」と題した講演があり、八戸に着任されてから現在の救命救急センターに至るまでの経緯や、“劇的救命”の活動紹介があり、聴講された方々より多くの質問が寄せられました。
また、このフォーラムでは教育セッションを実施。1日目、2日目共に各4題(2日間で計8題)、それぞれ当協会の指導医が地域医療や総合診療を目指す医学生及び研修医に講演しました。
2日目:6月29日(日)
(敬称略)
2 日 目 |
5:教育セッション
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6:JADECOMガイダンス 「地域医療研修について考える」 揖斐郡北西部地域医療センター長 吉村 学 台東区立台東病院総合診療科 高橋 麻衣子 今泉記念館ゆきあかり診療所長 高橋 毅 揖斐郡北西部地域医療センター 横田 修一 市立奈良病院総合診療科シニアレジデント 井上 博人 東京北医療センタージュニアレジデント 児玉 崇志 |
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メインシンポジウム 開会挨拶 地域医療振興協会理事長 吉新 通康 開会にあたって 日本医学会会長、地域医療振興協会会長 髙久 史麿 7: 基調講演 「スコットランドから学ぶ総合診療医の役割」 FortWilliam Health Center James D M Douglas 座長 揖斐郡北西部地域医療センター長 吉村 学 通訳 台東区立台東病院総合診療科 玉井 杏奈 8: メインシンポジウム 「専門医が求める総合診療医とは」 (1)「新しい「総合診療専門医制度」の構築に向けて」 ~日本専門医機構で考えられていること~ 北里大学名誉教授、一般社団法人日本専門医機構理事 吉村 博邦 (2)「専門医が求める総合診療医とは」 シンポジスト 内科医から 福島県立医科大学医学部 腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学講座教授 渡辺 毅 小児科医から 獨協医科大学医学部小児科教授、 獨協医科大学とちぎ子ども医療センター長 有阪 治 救急医から 昭和大学医学部救急医学教授、昭和大学病院長 有賀 徹 総合診療医から 一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会理事長 丸山 泉 座長 北里大学名誉教授、一般社団法人日本専門医機構理事 吉村 博邦 地域医療振興協会常務理事 山田 隆司 |
フォーラム2日目は、前日からの教育セッションに続き「JADECOMガイダンス」と称し、主に当協会が提供する地域医療研修について紹介しました。揖斐郡北西部地域医療センター長 吉村学が司会を担当。当協会レジデントより地域医療(家庭医療)研修説明、地域医療(家庭医療)後期研修プログラム修了者である台東区立台東病院 高橋麻衣子からは女性医師として自身の経験を含めたメッセージが語られました。
このフォーラムで最後のプログラムとなる メインシンポジウムの開会にあたり、当協会理事長 吉新通康の開会挨拶に続き 会長髙久史麿より挨拶。シンポジウムに先立ち、スコットランドから来日されたFortWilliam Health Center の James D M Douglas氏からの基調講演では、総合診療医と専門医で明確な役割分担の下、総合診療医と専門医が連携しているスコットランドの事例が紹介されました。
メインシンポジウム「専門医が求める総合診療医とは」の座長は、北里大学名誉教授、日本専門医機構理事 吉村博邦氏並びに当協会常務理事 山田隆司が務め、初めに吉村博邦氏より「新しい「総合診療専門医制度」の構築に向けて」と題し講演がありました。
シンポジストには、内科医として福島県立医科大学教授 渡辺毅氏、小児科医として獨協医科大学教授 有阪治氏、救急医として昭和大学教授 有賀徹氏、そして総合診療医から日本プライマリ・ケア連合学会理事長 丸山泉氏 といった、各分野における著名な演者により「総合診療医」についての活発な意見交換がされました。
ディスカッションでは、各分野の視点からも総合診療医の今後に期待する様子が伺え、「今後は大きなネットワークを構築しながら進めることが大切である」との意見もありました。最後に、座長 山田隆司による「総合診療医に関する様々なディスカッションを通じて、地域の皆さんが安心できる医療システムの構築できれば望ましい」との結びの言葉で、盛況のうちシンポジウム並びにフォーラムは閉会しました。
次回開催で3回目となるJADECOM総合診療フォーラム。地域医療や家庭医療、総合診療について、共に語り合える機会となることを願い、来年度も開催の予定です。