6 月24 日(土)、25 日(日)の2日間にわたって、「地域医療と臨床研究 -医療情報・ビッグデータの活用-」をメインテーマとし、第11 回へき地・地域医療学会が開催されました。一昨年度まで「総合診療フォーラム」という名称で開催されていたものが、今年度から「へき地・地域医療学会」と改称されました。
開催名称: 第11回へき地・地域医療学会 「地域医療と臨床研究 -医療情報・ビッグデータの活用-」
開催日: 平成29年6月24日(土)~6月25日(日)(東京(永田町)にて)
開催内容
1日目:6月24日(土)
(敬称略)
1 日 目 |
医学生ワークショップ
「地域で学べること」 与那国町診療所 診療所長 並木 宏文 |
開会式 |
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招聘講演
「離島発!とって隠岐の外来超音波診療」 隠岐広域連合立隠岐島前病院 病院長 白石 吉彦 |
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教育セッション
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一般演題(循環器・一般・消化器)
循環器 座長: 横須賀市立うわまち病院 管理者兼病院長 沼田 裕一 一般 座長: 東京ベイ・浦安市川医療センター 副管理者 木下 順二 消化器 座長: 伊東市民病院 病院長 川合 耕治 |
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へき地医療功労者・後期研修修了生・助成賞・奨励賞表彰式、情報交換会 |
学会は医学生ワークショップからスタート。1日目の24日午前中から全国各地の医学生が集まり、「地域で学べること」というタイトルで地域実習に関するワークショップに続き、BLSO(Basic Life Support in Obstetrics)のデモが実施されました。
1日目のメインプログラムは、招聘講演「離島発!とって隠岐の外来超音波診療」と題し、隠岐広域連合立隠岐島前病院院長 白石吉彦氏から、先生が日頃取り組まれているエコーを用いた診察に関する講演でした。講演中には腰痛に悩む医学生に対し、実際にエコーを走査する場面もあり、フロアから注目が集まりました。
引き続き教育セッションが5セッションおよび一般演題発表が行われ、参加者が各会場に分かれ熱心に聴講していました。
1日目夕刻の表彰式では、自治医科大学を卒業し今年度末で義務年限が終了となる医師を対象としたへき地医療功労者表彰、へき地等を重点とする地域保健医療の向上発展に寄与することを目的とした研究に対する助成賞、奨励賞、特別賞各賞の表彰、そして協会の地域医療型後期研修プログラム「地域医療のススメ」修了者の表彰が行われました。
2日目:6月25日(日)
(敬称略)
2 日 目 |
教育セッション
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診療所セッション
「診療所入門」~診療所マネジメントあれこれ~ 西浅井地区診療所 所長 上田 祐樹 |
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JADECOMガイダンス
「地域医療を充実させるために」 総合司会: 揖斐郡北西部地域医療センター センター長 横田 修一 |
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シンポジウム
開会挨拶:地域医療振興協会 理事長 吉新 通康 開会にあたって: 地域医療振興協会 会長 髙久 史麿 基調演説: 「家庭医療、ビッグデータと地域研究」 オレゴン健康科学大学 家庭医療学 主任教授 Jennifer DeVoe メインシンポジウム: 「地域医療と臨床研修 - 医療情報・ビッグデータの活用- 」
「臨床研究は地域医療を元気にする」 京都大学大学院医学研究科医療疫学分野 教授 福原 俊一 |
学会2日目は4つの教育セッションから始まり、引き続き診療所セッションおよび「JADECOMガイダンス」が開催され、研修医と医学生向けに協会の特徴でもある地域医療研修についての紹介とワークショップが行われました。
この日のメインプログラムとなるメインシンポジウムでは、今学会テーマのサブタイトルでもある「ビッグデータの活用」という視点から、OHSU 家庭医療学 主任教授 Jennifer Devoe氏による基調講演の後、京都大学大学院医学研究科医療疫学分野教授 福原俊一氏、産業医科大学医学部公衆衛生学教室教授 松田晋哉氏、帝京大学医療情報システム研究センター教授 澤智博氏、そして当協会のヘルスプロモーション研究センターセンター長 中村正和氏といった各領域で活躍されている4人のシンポジストにご講演いただきました。
各シンポジストからは、地域医療を行う上での臨床研究の重要性や、地域の医療現場に実は大切な医療情報が潜在しているといった内容が示され、フロアからは意見や質問が続き、終了予定時刻を越える盛況ぶりでした。
2018年6月に第12回となるへき地・地域医療学会の開催を予定しております。皆さま是非ご参加ください。