6月25日(土)、26日(日)の 2日間にわたり、第15回へき地・地域医療学会(以下、「大会」という。)を開催しました。昨年6月に開催した前大会(第14回)は、新型コロナウィルスの影響でオンライン形式での開催となりましたが、今大会は、協会事務局のある海運ビルをメイン会場とし、オンライン会場も設けハイブリッド 開催としました。
また、前大会から協会の地方支部を主幹とする形式での開催とし、今大会は北海道・東北地方支部が主幹となりました。大会長は 北海道・東北支部長・東通地域医療センター管理者 川原田 恒(以下、「大会長」という。)が務め、大会テーマは「繋がる記憶、広がる学び ~震災・コロナを越えて~」、メイン&オンライン会場双方で413名のご参加をいただきました。
開 催 名 称
第15回へき地・地域医療学会
『繋がる記憶・広がる学び
~震災・コロナを越えて~』
開 催 日
2021年6月25日(土)~ 6月26日(日)
開 催 内 容
東京の学会会場(メイン会場)並びに
学会サイト(オンライン会場)による
ハイブリッド開催
(敬称略)
タ イ ム テ ー ブ ル |
6月25日(土) 12:00 ~ 13:20 1 一般演題発表(口演) 2 医学生セッション 「Meet the Experts ~離島から海外まで・ゆりかごから墓場まで」 3 地域医療に貢献できる遠隔医療とは(オンライン) |
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13:30 ~ 15:00 4 髙久賞(最優秀へき地医療功労者賞)候補演題発表 | |
15:10 ~ 16:10 5 理事長講演 吉新 通康(公益社団法人地域医療振興協会 理事長) 5 大会長講演「原発を抱えた村の総合医として歩んで」 川原田 恒(東通地域医療センター 管理者) |
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16:20 ~ 17:40 6 シンポジウム「今、地域医療学を考える」 7 救急領域におけるPOCUSを学ぼう 8 医師から発信するワークライフバランス向上への取り組み(オンライン) |
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18:00 ~ 19:30 9 表彰式・交流会 |
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19:00 ~ 21:00 10 地域医療と専門医制度~現状と若手医師の本音~(オンライン) | |
6月26日(日) 9:00 ~ 10:00 11 シンポジウム 「地域医療を担う“人”をいかに育成するか〜先人達の実践から〜」 12 JADECOM-PBRN発足からの振り返りと今後の展望; Quality Improvementを中心に 13 地域で役立つ!病状説明のハートとスキル(オンライン) |
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10:10 ~ 11:30 14 メインシンポジウム 「繋がる記憶、広がる学び~震災・コロナを越えて~」 ・座長 川原田 恒(東通地域医療センター 管理者) 阿部 昌彦(北海道立羽幌病院 病院長) ・シンポジスト 吉田 徹 (岩手県立中部病院 病院長) 鈴木 孝徳 (南房総市立富山国保病院 病院長) 日下 勝博 (社会医療法人関愛会江別訪問診療所 所長) 岡崎 仁昭 (自治医科大学医学教育センター センター長) |
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11:30 ~ 12:30 15 招聘講演「新型コロナ これまでとこれから」 ・座長 川原田 恒(東通地域医療センター 管理者) ・演者 尾身 茂(公益財団法人結核予防会 代表理事) |
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※ 上記全プログラムをZoomウェビナーまたはZoomミーティングによりLIVE配信予定 | |
会期中終日開催 16 医療現場におけるweb会議システムの安心な活用法とは(オンデマンド) 17 東日本大震災から11年~震災を越えて~(オンデマンド) 18 #北海道・東北展(学会&オンライン会場) |
1日目 6月25日(土)
1 日目の正午、大会のオープニングセッションとなる「一般演題(口演)」は、国民健康保健葛巻病院名誉院長 遠藤 秀彦 先生、福島県立医科大学会津医療センター総合内科学講座特任教授 鈴木 啓二 先生の両座長による進行により、地域医療に携われている先生方から10 題の発表がありました。また、並列で 医学生セッション「Meet the Experts~離島から海外まで・ゆりかごから墓場まで」、「地域医療に貢献できる遠隔医療とは」を企画しました。
次のセッションでは、自治医科大学医学部を卒業され義務年限終了予定の9 名の先生方から「髙久賞(最優秀へき地医療功労者賞)候補演題発表」として、義務年限期間中の活動について事前に収録いただいたプレゼンテーション動画を放映し、閲覧された方々からも投票をいただきました。
続いて、吉新 通康 会長兼理事長講演、川原田大会長講演の後、シンポジウム「今、地域 医療を考える」、「 救急領域におけるPOCUS を学ぼう」、「医師から発信するワークライフバランス向上への取り組み」といったセッションへ進みました。
夕刻の表彰式では、先述の「髙久賞( 最優秀へき地医療功労者賞) 候補演題発表」にて発表をいただいた義務年限を終了される先生方へ「へき地医療功労者表彰」を行い、髙久 史麿 先生が創設された「髙久賞」となる 最優秀へき地医療功労者賞 は、日野 有美香 先生(福岡県)が受賞されました。北海道・東北支部企画の「#北海道・東北地方 へき地写真コンテスト&ショートムービーコンテスト」の表彰も行い、受賞者の方々から北海道・東北地方の風光明媚な様子を改めてご紹介いただきました。
2日目 6月26日(日)
大会2 日目は、「シンポジウム「地域医療を担う“人” をいかに育成するか~先人達の実践から~」、「地域で役立つ!病状説明のハートとスキ ル」、「JADECOM-PBRN 発足からの振り返りと今後の展望; QualityImprovement を中心に」の3セッションから始まりました。
続いて、川原田大会長、北海道立羽幌病院病院長 阿部 昌彦 先生 両座長により、大会テーマでもあるメインシンポジウム「繋がる記憶、広がる学び~震災・コロナを越えて~」を開催。4名のシンポジストの方々から東日本大震災時における岩手県内医療機関の対応、新型コロナウイルス発生後の地域連携や訪問診療活動、医学生教育の変化について貴重な講演をいただきました。
・ 震災の記憶と学び
岩手県立中部病院病院長 吉田 徹 先生
・ COVID-19診療の地域連携から学ぶ
南房総市立富山国保病院病院長 鈴木 孝徳 先生
・ 在宅でのコロナ患者治療から学ぶ
社会医療法人関愛会江別訪問診療所所長
北海道へき地医療支援センターセンター長 日下 勝博 先生
・ 自治医科大学における学生教育
自治医科大学医学 大学参与(兼)医学教育センターセンター長 教授
内科学講座アレルギー膠原病学部門教授 岡崎 仁昭 先生
大会の最終セッションとなる 招聘講演「新型コロナ これまでとこれから」では、公益財団法人結核予防会代表理事 尾身 茂 先生 をお招きし、2020年春から日本国内でも流行となった新型コロナウイルス感染症(COVID-19) について、専門家の視点から国内のみならず諸外国の状況を含め講演をいただきました。講演後は、フロアから尾身先生への質問が続き、終了時刻も延ばし盛会のうちに閉会となりました。
第16回となる次回のへき地・地域医療学会は、当協会の近畿地方支部が主幹となり、開催に向け、地域医療に関わる皆様にとって魅力ある企画を準備してまいります。 来年も皆様のご参加をいただけますよう、よろしくお願いいたします。