へき地・離島画像支援センター

当協会では、運営施設の練馬光が丘病院が読影施設となり遠隔画像診断を行っています。

遠隔画像診断とは、依頼元の医療機関で撮影されたCTやMRIなどの画像情報を、ネットワークを活用して電送し、離れた場所にいる専門医が診断を行うことです。

CTやMRIなどの医療検査機器による画像診断は、多くの疾患の診断に不可欠な方法とされ、全国各地の医療機関にめざましいスピードで機器の導入が進んでいます。

しかし、全国的に医師の偏在による医師不足が深刻になっており、へき地においてはその確保、特に放射線科専門医については非常に厳しい現状となっています。

そこで、これらの問題を解決に導く方法として考えられたのが、ネットワークを活用した遠隔画像診断です。

へき地・離島画像支援センターの活動

2023年4月1日現在、常勤専門医師6名(関連施設含む)、非常勤医師43名の体制でCTやMRIなどの画像診断支援を行っています。

いずれの医師も放射線診断専門医の資格を有しており、常勤医師に関しては、血管造影・IVR指導医の資格、乳癌検診マンモグラフィ読影の資格も有しております。

なお、これまでの遠隔画像診断実績は以下の通りです。

IVRとは

 年 度  支 援 施 設 数 読 影 件 数
  病   院   診療所・複合施設
2018年度 20施設 10施設 30施設 45,973件
2019年度 20施設 10施設 30施設 48,401件
2020年度 19施設 11施設 30施設 47,636件
2021年度 19施設 11施設 30施設 50,689件
2022年度 19施設 11施設 30施設 60,560件
事業開始(2005年度)からの総読影件数 550,100件

◆IVRとは

Interventional Radiology (IVR)とは、画像(X線透視、超音波、CT、MRIなど)を用いて体内を穿刺したり、体内にカテーテルという細い管を挿入したりして行う治療行為です。
外科的手技に比べて身体にあたえる負担が少なく、画像で確認しながら治療を行うことで病気の場所だけを正確に治療することが可能となります。
IVR治療は現在出血時における救命などの急性期病変に対する治療から、末期がん患者に対する緩和ケアまで、幅広い分野で行われています。

へき地・離島画像支援センターでは、契約施設の画像診断を行うことだけではなく、契約施設での要請に基づいて、各地にIVR専門医が赴いてIVR治療を行っています。また、IVR手技の適応があるかについてのコンサルテーションも受け付けています。

【胆嚢動脈仮性瘤に対する動脈塞栓術】


胆嚢動脈仮性瘤に対する動脈塞栓術

【転移性肝腫瘍による下大静脈狭窄に対するステント留置術】


転移性肝腫瘍による下大静脈狭窄に対するステント留置術

◆IVR支援実績数


  年  度    支 援 件 数 
2018年度 16件
2019年度 15件
2020年度 13件
2021年度 14件
2022年度 15件
事業開始(2009年度)からの
総支援件数

262件

◆主なIVR支援実績


  • 肝細胞癌に対するTACE
  • 転移性肝腫瘍に対する動注化学療法
  • 転移性肝腫瘍による下大静脈閉塞に対する下大静脈ステント留置術
  • 胃静脈瘤に対するBRTO
  • 消化管出血に対する動脈塞栓術 (結腸憩室出血,十二指腸潰瘍,胆嚢炎の胆嚢動脈仮性瘤,後膵炎後の仮性瘤,膵頭十二指腸切除術後の仮性瘤からの出血など)
  • 内臓動脈瘤に対するコイル塞栓術(脾動脈瘤,下膵十二指腸動脈瘤,気管支動脈瘤など)
  • 腫瘍による出血に対する動脈塞栓術(S状結腸癌膀胱浸潤,脾腫瘍など)
  • Segmental Arterial Mediolysisに伴った出血に対する動脈塞栓術
  • 外傷による出血に対する動脈塞栓術・・・骨盤骨折,脾損傷,上臀動脈仮性瘤など
  • NOMIに対する塩酸パパベリン動注療法
  • 遺残胎盤に対する子宮動脈塞栓術
  • 喀血に対する気管支動脈塞栓術
  • 閉塞性動脈硬化症に対するステント留置術
  • 膿瘍に対するドレナージ術
  • 画像ガイド下での生検術
  • 画像ガイド下でのカテーテル留置術

これらの支援は、日本IVR学会認定IVR専門医である医師によって施行されています。