地域医療安全推進センター

地域における医療安全推進と医療の質向上を図る

平成24年1月、我が国における医療安全施策の動向や現状を踏まえて、協会所属の医療機関、保健福祉施設における医療安全や医療の質向上に関わる諸問題に対応し、人材育成を図り、広く医療安全推進を支援することを目的として、「地域医療安全推進センター」を開設しました。なお、人材育成の教育研修、講演等に関しては、協会所属外部の施設にも広く対応します。

医療安全の推進と医療の質向上は医療機関にとって喫緊の課題です。医療安全の推進のため、平成13年5月、厚生労働省は、「医療安全対策検討会議」を発足させ、同会議は平成14年4月「医療安全推進総合対策」をまとめ、病院、有床診療所に対する安全管理が徹底化されて今日に至っています。
医療安全の推進のために、平成15年より、特定機能病院や臨床研修病院に対して、安全管理者の満たすべき基準、業務内容、ならびに安全管理分門の構成と役割や業務内容が掲示され、安全管理体制が義務付けられました。さらに平成19年には「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第84号)が施行されたことにより、医療安全体制確保の必要性は、大規模病院だけの問題ではなくなってきています。
また、平成18年には「医療安全管理者の質の向上に関する検討作業部会」が発足し、平成19年3月に「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針」が公表され、医療安全管理者の業務が明確となり、組織における継続的な人材育成が求められるようになりました。

診療報酬上でも、平成18年に医療安全対策加算が新設(50点)され、適切な研修を修了した専従の医療安全管理者の設置に配慮がなされています。平成22年には同加算が「専従の医療安全管理者の設置では85点、専任の医療安全管理者の設置では35点」へと改定され、医療機関の状況に配慮した内容となり、病床規模に関わらず、職員個々の能力の向上とともに、組織的な医療安全推進と質の向上が強く求められるようになってきました。

このような状況を鑑みて、地域医療安全推進センターでは医療安全推進と医療の質向上に関する以下の様々な活動を実施し、医療者が本来の業務に専念・専心できる状況を確保するための支援を行うことにより、地域医療を担う医療機関や保健福祉施設における医療安全推進と質の向上に寄与していきたいと考えています。

活動方針

01.医療安全管理体制構築と組織づくり支援
協会が運営する医療機関、保健福祉施設等の規模に応じた、医療安全管理体制の構築、医療安全管理者の育成、職員に対する医療安全教育等のシステム構築において、様々な取り組みの提案や情報収集、情報発信をします。
02.地域の医療安全推進においてリーダーシップを発揮できる人材の育成
医療安全推進において方向性を示すトップマネジメント、医療安全管理活動の要となる医療安全管理者を対象とした研修や、様々な職種別・テーマ別の医療安全研修を企画・運営します。
03.地域医療に貢献できる人材育成のための医療安全教育の支援
地域の中小規模の医療機関や保健福祉施設において、職員を対象として実施される医療安全研修会及び講演会へ講師を派遣し、専門的な内容や具体的事例の活用、新たな医療安全の取り組み等について講演を実施します。
04.施設規模に応じた医療安全管理及び医療安全教育に関する研究、開発
中小規模の医療機関の医療安全管理業務の実態調査等を実施し、明らかになった課題に基づき、施設の規模に応じた医療安全管理及び医療安全教育の方法等の開発を目指します。
05.地域における医療安全ネットワークシステム構築の支援
住民が住み慣れた地域で安全で安心できる医療を受けられるために、協会が運営する医療機関、保健福祉施設等を中心として、地域の連携を図る医療安全ネットワーク構築を提案し、その実現に向けて調整・協力します。
センター長 石川雅彦
連絡先 千代田区平河町2-6-3 都道府県会館15F
TEL. 03-5212-9152
担当: 斉藤奈緒美
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