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[2008.11.01]   お知らせ

医療センター便り(11月号)


インフルエンザとワクチンについて
橋爪洋明(医師)

 六合村のみなさん、こんにちは。六合村診療所の橋爪洋明です。今回はインフルエンザとそのワクチン(予防接種)についてご紹介致します。
 随分と古い話から始めますが、1890年(明治23年)にアジアかぜと呼ばれたインフルエンザが世界的に大流行した頃、我が国ではインフルエンザのことを流行性感冒(流感)と呼んだそうです。1918年には、スペインかぜと呼ばれたインフルエンザが世界各地で猛威をふるい、全世界の罹患者数6億、死亡者は2000-4000 万人にのぼったと言われます。我が国には大正8-9(1919-1920)年の冬に流行が持ち込まれ、罹患者は2300 万人、死者は38万人に及んだといわれます。当時の新聞には「流感の恐怖時代襲来す-一刻も早く予防注射をせよ-」という見出しが踊ったそうです。インフルエンザワクチン(予防接種)には、はしかワクチンのように発病をほぼ確実に阻止するという効果は期待できませんが、高熱などの症状を軽くし、合併症による入院や死亡を減らすことができます。特にご高齢の方(65歳以上)や基礎疾患(気管支喘息等の呼吸器疾患、慢性心不全、糖尿病、腎不全など)を有する方はインフルエンザが重症化しやすいので、ワクチン接種による予防が勧められます。そのような人の周辺にいる人や、その他にインフルエンザによって具合が悪くなることを防ごうと思う人に対してもワクチン接種が勧められます。
 日本での流行は、毎年11月下旬から12月上旬頃に発生が始まり、翌年の1-3月頃にその数が増加、4-5月にかけて減少していくというパターンですが、流行の程度とピークの時期はその年によって異なります。ワクチン接種は流行の前に(11〜12月)に済ませておくことが望ましいでしょう。当医療センターでも11月よりワクチン接種を開始しておりますので、是非ご利用下さいねo(^ ^)o 来月は冬季に流行するノロウィルス・下痢嘔吐症についてご紹介致します。今後とも六合温泉医療センターを宜しくお願い致します。